はてなニュースの靴の手入れのエントリーで、色々と間違った情報も載せられていたので、このエントリーではそれらを補足する情報をご紹介できたらと思います。
昔からですがインターネットで胡散臭い情報、というか宗教じみた靴手入れのノウハウが沢山あります。
例えばゴム半裏は靴に悪い、とか。
そういうある意味で正しいけど、全般的には間違っているよ、的な情報を鵜呑みにしてはダメです。
でも本当に高級靴の世界って宗教じみていて、このエントリーを読んだ皆様からも恐らく多々反論されるかもですが。
昔靴売り場にいた先輩もそういう人で、そういう曖昧な精神論とかばかりで、お客さんとの話しのネタにもなりませんでした。
その後、論理的なノウハウを教えてくださったのは今では雑誌連載までするあのお方。
ここでも、少しでも論理的に解説できれば、と思います。

革靴に水は天敵というのは嘘

革靴に水が天敵・・・なわけない!!
水が革に及ぼす可能性のある被害は、カビの発生と硬化、色落ちの3点です。
カビの発生については、普通の洗濯と同様、乾燥時の環境にさえ注意すれば、十分抑制出来ます。
硬化も乾燥前に形を整え、30度以下の低温で乾燥させさえすれば、まったく変りなく復活します。
色落ちに関しては、靴全体が濡れるようなケースなら、殆ど問題になる事はありませんが。
しかし、緑や青色は色落ちし易い物が多いので注意です。

また、水滴が乗っている程度の濡れた状態で放置したり、半分だけ濡れている状態などはシミの原因となるので、もし部分的に濡れてしまったら、全体を濡らし、ついでにシャンプーを使って水洗いしちゃいましょう。
どうやっても普通に履くだけで、靴の中には汗などの汚れが吸収されてしまいますので、除菌の意味でも水洗いは年に一度はしたいものです。
もちろん、徹底的に水洗いした後は徹底的に油分と蝋分の補給が必要です。油分を補給する際は、部屋を熱いくらいに暖房するのをお忘れ無く。

革に栄養補給なんて非科学的!!

よく革に栄養云々・・と聞きますが、栄養というのは比喩表現であって、実際のところ、革に必要なのは質の良い油分と表層と表面を保護するロウ分だけです。
それ以外は全く必要ありません。
此処で言う質の良い油分とは、常温では半固体化し、体温では完全に溶ける油分の事です。
具体的にはホースオイル、ミンクオイル、ホホバオイルなど。どれも30度前後で融化します。

ロウ分は主に蜜蝋を始めとする動物性と、カルナバロウなどの植物性、パラフィンなどの化学性のものが使われますが、使用時に稼働する場所は粘度の高い(柔らかい)動物性が、爪先などの固い場所の鏡面仕上げなどには植物性、撥水スプレーなどにはパラフィンが向いています。

殆どの靴クリームも、主な成分はこれらで、その他に使い易いように溶剤などが入り、界面活性剤を使用して乳化させているだけです。

因みに、乳化させていると言うことは多量の水分が含まれていると言うこととほぼ一緒ですので、ここでも水分が大敵というのは違うとわかります。

毎回靴クリーナーやクリームなんて必要ない

靴クリームを塗布する際、心得のある方なら出来るだけ薄く仕上げ用とする筈です。
しかし、どうしても不必要に塗りすぎてしまう事も有り、そういう場合には靴クリーナーやリムーバーが必要です。
しかし、極薄く毎回靴クリームを塗っている方はご存知だと思いますが、殆どの汚れはブラッシングとクリームの塗り直しで取り去れます。
また、ブラッシングをして、軽く布で撫でて光沢が戻るようなら、靴クリームを塗る必然性はありません。

シューキーパーの使い方に注意

シューキーパーはバネ式とネジ式がありますが、バネ式の物は靴の踵部にストレスを与え、破れの原因となるので注意。
バネ式の物は履いた後2,3日もしたら外しましょう。同様に、バネ式でもテンションの掛け過ぎは注意です。

革は乾燥時が一番怖い

皮革製品を長持ちさせる上で注意したいのが、乾燥時の管理です。
靴は一日履いていると、多い場合でコップ一杯分の水分を吸収します。
これをそのまま放置すると、本来の形とは違う形で革が固まり、そうなってしまうと靴の中では複雑な応力が働きます。

特に、硬度の高い表面の割れや、靴裏のヒビなどが発生しやすいのです。
これを防ぐにはある程度のオイル成分が靴に含まれている状態をキープするのが良いのですが、そのためにはモゥブレイのデリケートクリームディアマントなどの乳化クリームを使ってあげるとよいでしょう。
また、何日も続けて履き、水分が適度に確保された状態が続くと、劇的に細菌の数が増えるので、これも注意です。

最後に、靴を長く使いたいなら、値段は日本製なら30,000円以上、輸入品なら皮革関税の関係でちょっと高くなりますが、50,000円以上の物を選ぶのが良いです。
縫製・革質共に、このくらいの値段なら10年以上、ちゃんと履けます。
あと、ダサイかもしれませんが、グッドイヤーウェルト製法の物を選んで下さいね。

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